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【感想】きみとぼくが壊した世界

ようやく読了です。
本を読むのに徹夜したのは久しぶりですね。
それほどまでに飽きさせない構成、内容、展開でした。
正直、これだけのためにメフィストを購入しても損はしないかと。
それでは続きに感想です。


いわば、すべてを混ぜこぜにした…というか、
西尾先生の力をフル動員した印象をうけた。
『きみとぼくの壊れた世界』の世界観だったり、
『不気味で素朴な囲われた世界』の残酷さだったり、
『クビキリサイクル』の解決編だったり、
『化物語』のギャグ要素だったり…。
それゆえに、非常に濃ゆい話だったのではないでしょうか。
気づいたら外が明るくなってたのは久しぶりです。


せんたくもんだい編


登場人物はご存知『櫃内様刻』と『病院坂黒猫』の2人。
いや、もう精確には誰が登場人物かなんてわからないので、ここは割愛。
様刻は相変わらず。まさか海外旅行にセカンドバックと、
薄手のコート1枚でくるとはおもわなんだw

そして、初代きみぼくよろしく小説議論に没頭する。
今回の議題はライトノベル…。これは2003年頃は本当に少なかったので、
西尾先生のライトノベルに対する評価がわかってよかったですね。
その議論をどんどん発展させていくうちに出た、「推理小説には必ず
密室殺人が登場しなくてはならないという定義を持つ作家さんもいる」
という黒猫の言葉には笑いましたw これ多分森先生のことですよね。

そんな話の最中、2人は飛行機という空の中の密室事件に遭遇する。
被疑者はたまたま横並びに乗り合わせたお坊さん。
心臓をナイフで一突き。容疑者は様刻以外に考えられない。

しかし、様刻が『薬を飲むのに水は消化補助のために必須』という
発言をしたことをヒントに、黒猫は解答にたどり着く。
それにしても解答編の『「  「  「  「  「  「  」』
というこの技法…。懐かしいですね~。ミステリでは読んだことないけど、
トルストイとか、ドストエフスキーとか、本当に最近は見ないですからね。
あ、でも最近では川島誠先生の作品で見たかな?読みやすい技法ですよね。
とりあえず、様刻の形相がオチになるとは思いませんでした。
こうしてみると、様刻がますます怪しいと思いますけれどね…。
なにはともあれ、一見落着なのでした。


あなうめもんだい編

という、小説を黒猫から渡された様刻。まさかの黒猫による作中作。
せんたくもんだい編では黒猫が男か女か描写していないので、
BLちっくになるとは思ってませんでした。一人称『僕』だし。

そしてとりあえず今回の目的地、ロンドン国際空港に到着するわけですが、
そこから先は、化物語のギャグののりですね。ずーーーっと。
シャーロック・ホームズ博物館についてからのテンポのよさには、
笑撃と衝撃を受けましたね。「あれっ!?気持ち良い!」には大爆笑でした。
あとお化け屋敷にもw あそこまで取り乱すくろね子さんはそうないですね。

そんな黒猫も少し落ち着いて、今回解決すべき事件の真相のお話。
依頼主の奥さんが風呂場で溺死した。依頼主にしか不可能のようだが、
アリバイがある。依頼主以外にできっこない…。そこで氷トリック。
まさかこんな前時代的なトリックがくるとは思わなんだ。
「なにか質問はあるかね?ワトソンくん?」には軽く感動しましたが、
少し疑問に思ったのが、確実に凍傷になるだろうなーということです。
ここは西尾先生らしくないミスだなーと思ってたのですが…。


ちょうぶんもんだい編

ですが、弔士が書いた「作中作」中作だったので、無問題です。
ぶきそぼでもそうでしたが、肝心なところでやらかしますからね、彼は。
そう、今までのストーリーはすべて弔士が書いた創作だったのです。
なんていうか、相変わらず真っ白な性格最悪ですね。
ですので、いままで様刻がやらかしたことはすべて弔士がやったことで、
ああもう何がなんだかわからなくなってきましたよ。

とりあえず解決編に至るまでの展開はやっぱり化物語調。
『近付くんじゃない!』と、
『浜村くんじゃない?』は、ウロボロスを思い出しましたね。
そしてロゼッタ・ストーンのシーンは、いつもの弔士っぽくなくて、
よかったですw あんな風にもなるんですね彼は。

そして事件の真相へ。
奥さんは事故死。そして、もう一人の被害者は自殺。
今度のスポットはそこに当たっていくわけですが…。
真相が分からずやきもきする黒猫に対し、
「あれ?ひょっとしてまだ分かってなかったんですか?」と、
バカにするような口調で問う。
「早く教えないと、お前の彼女であるろり先輩の処女を奪う」と、
黒猫は、ある意味弔士より最悪な発言をして、急かす。
でも、真相はそれよりももっと残虐で残酷な残忍さを孕むものでした。
曰く、『信頼』をたくみに利用した時間差トリック。
単純にいうならば、『苛め殺した』わけですね。
ぶきそぼほどじゃないにしても、この残酷さは常軌を逸脱してると思う。
ちょっと気持ち悪くて、数十分先に進めませんでした…。


ろんぶんもんだい編

が、もう少し切りかえを早くして、先に進むべきでしたね。
もう一巡することくらい予想ついてましたが、
弔士が黒猫の創作だとは思わなかった。
まさかの黒猫による「「作中作」中作」中作だったというわけで…。
しかもそれだけにあらず、黒猫→様刻→黒猫の順で
リレー小説を書いてる形式みたいです…わかりづらっ!
ですので、もう1順して、今度は様刻の版ということで。

もうタネ明かししちゃったので、純粋に今度は様刻の番ですが、
すでに解決すべき事件は解決してしまたので、
もうすることはない…と思ってたら事件は起きました。

黒猫が殺された。
ホテルの部屋はオートロック。
様刻以外誰一人として入ることはできない。
なにが起きたのか分からず苦悶する様刻。

とりあえず本日する予定だった観光を予定通りこなし、
ホテルの部屋に帰ってきて、黒猫の遺書を読むことになる。
とまぁもうここまでやらかしてくれたら、もう1順くらいするだろうな…
と予想はついていたので、とくに気にはなりませんでしたけれどね。
これが小説の中の話なら…と、いかにもな表現を使っていましたが、
それすらも予想つくので、ニヤニヤしながら読んでいました。
そして、黒猫の遺書の最後の台詞…。
「そしてミステリーは文学ではなく美学なのだ」
は名言です!感動しました。


まるばつもんだい編

ま、酷いですよね。友達を小説の中で殺すなんて。
これは様刻による創作だったわけですが。
でもその後のヒステリックになる黒猫はシャーロックのとき並に笑えました。
その後、どのようにして様刻が黒猫に謝ったかは想像に難くないですね。

小説の最初の読者は作者。
これは盲点だったなー。典型的な灯台下暗しってわけですね。
それゆえに、作者自身が死んでいないのなら、それは呪いではない…と。
ちょっと掟破りな型破りの解決編でしたが、それはそれでありなのかもしれないですね。

と思っていたところで、また事件。
その作者が死んだ。
死亡推定時刻は、様刻と黒猫が彼に出会う前日。
なんか、あれですね。生きてる人がいなくて、死んでる人がいるとか、
ひぐらしみたいな展開ですね。

でもそれは単純な話…見慣れてないことをたくみにつかったトリック。
普通こういうのは思いつきませんって。
とりあえず、これで事件は大団円。
創作とはいえ、みんなして無残に殺されまくったけど、すべてはお話の中ということで…。


えんでぃんぐ

という、「「「「作中作」中作」中作」中作」中作を書いたのは、
『病院坂笛吹』という男…黒猫の実の父親でした。これもお話の中…。
それを読み終えた黒猫と様刻は、これからロンドン旅行に行くわけですが…。
最後に黒猫が書いた…で終わるんだろうなぁーと
思っていた私には、衝撃のラストでした。
この物語はフィクション in ノンフィクションです。
実際の出来事・人物・舞台とは一切関係あるようでありません。
とりあえず、コレはコレ1冊で単行本にできますね。
ただ、ちょっとページ数が少ない気もするので、
あとがきと、あとコレにはなかった
『おーぷにんぐ』を載せて刊行されることでしょう。
非常に7月が楽しみですね。


ところで、これを読んでいて非常に気になったキーワードがあります。
それは、『5年前』です。
最初はギャグかなにかかと思いましたが、こうも何度も繰り返されると、
明らかに伏線だなこりゃ…と思ってしまいます。
5年前の世界シリーズの世界といえば、思い浮かぶのは一つ。
病院坂黒猫の中学時代です。
次の巻はそこか、もしくは今回初登場の道楽者『病院坂笛吹』あたりが
書かれるのかなーと想像しつつ、ここらで感想を終わりにします。

| 世界シリーズ | 16:40 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

 本日本作品を読了して、レビューをググって辿り着きました。作品の内容がとてもよくまとめられていますね。作品の構成を再確認することができました。
 ところで『5年前』についてですが、考えすぎておられるように思います。前作「きみとぼくの壊れた世界」の発表された2003年(5年前)が作品世界では「半年前」であることを皮肉った、メタなギャグと思われます。むしろ単行本では通用しにくいので、削られるのではないでしょうか。

| 通りすがり | 2008/05/25 00:31 | URL |

↑しかしそんな君の意見に反論。ってか反論じゃないけど

このレビューに書かれてるとおり次回作ではないいですがさらにその
次回作である「ぼくの世界」は病院坂黒猫の中学生時代が描かれるそうですよ。

| な | 2010/12/04 23:43 | URL |

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| | 2015/05/08 10:29 | |















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