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【感想】憑物語

憑物語憑物語
(2012/09/27)
西尾 維新

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憑物語。
物語シリーズ第十三作目。
十二作目の恋物語が、昨年十二月だったので、
実に九ヶ月ぶりの新作です。
さらに言えば、前回講談社から出した小説は、
悲鳴伝が最後だったりするので、そこから数えても五ヶ月ぶりですね。
これが正常な小説家の刊行速度です。
まあ、その間にはめだかボックスノベライズやら、
偽物語キャラコメンタリーやらがあるので、
結局西尾維新やべえ。ってことには変わりはないわけですが。

それでは、終焉へと向かう物語。
感想です。


今までのストーリーに関わりの薄い人間が消える。
こういったオチほど、抱く感情の種類に困り、
それでいて切ない終わり方というのは無いでしょう。
近々でいえば、花物語。
あれもまた、沼地蝋花という少女が、
絶望も希望も無くただ消えた。
そこにどのような思いを抱けばよかったのか。
多分、当事者である神原が分かっていない以上、
我々にわかるのはほんの一握りしか無いと思います。

今回の物語で起こる事件は、『阿良々木暦の自己吸血鬼化』。
忍との血のやりとりと無関係に起こった吸血鬼化現象。
その原因は過剰な吸血鬼化による弊害。
これ以上の吸血鬼化を防ぐため、暦は人間であるまま、
今回戦わなければならない敵に立ち向かう。

テーマとしては、前の鬼物語の時のように重かったですねえ。
今まで向き合ってこなかったツケを払わせられる。
まあ、そりゃそうですよね。
「これ以上それを使ったら、人間に戻れなくなるぞ!!」
なんて。
獣化ものとか、そういうタイプのストーリーにはありがちな設定。
物語シリーズは西尾作品においては割りと王道な作品です。
そんな中で例外に据えられるわけがありません。
思えば、化物語のキャラクターコメンタリー。
その第一話で、「最近じゃその不死身さを便利に使いこなしてる」と、
そんな言葉を言ったのは羽川翼ですけれど、
言うなればその伏線の回収ということですかね。
あの時は単に言われてみればそうだとゲラゲラ笑っていましたが、
地縛霊から浮遊霊に二階級特進しました!が、
笑えない結果になったのと同様、これもしっかりと回収してくれました。
この先怖いよー。あと何かあったっけー・・・。

ただの人間として初めて対峙することになるその相手は、
手折正弦。
臥煙伊豆湖、忍野メメ、貝木泥舟、影縫余弦と共に、
斧乃木余接を作ったメンバーのひとり。
余弦。正弦。余接。
二本の線を接続する一本の線。
しかしその比重が片方に傾けば、面は消失する。
上手くできていますね。本当に。
彼との離別の物語とか、もし今後学生時代の話ができるなら、
やってほしかったりするかもしれんです。
ていうか、今回の話はタイトル的にその話にするのもありでしたよね。

その話というか、ぶっちゃけ中盤に差し掛かるまで何の話だったのか、
それすらも分からなかったわけですけれど。
最初は、月火の話かと思ったんですけれどね。
歯を磨くよりもひどい!なんでこの兄、妹と風呂入ってんだw
pixivとか、阿良々木月火で検索したらその絵で埋まりそうだ。
さらに今回は髪の毛の話もしていましたけれど、
月火、伸びすぎだ!阿良々木さんも伸びすぎだ!
ふたりとも想像するとこえーよw
たしか、花物語で音楽家か芸術家にしか見えない長さと、
神原が表現していたと思いますが、具体的な長さは初公開。
こっちもまたイラストが楽しみだ。
不安半分、不安半分。

さっき言った笑えるけど笑えないことになる伏線、といえば、
月火の感情のピーキーさもあるんですよね。
それはもう、囮物語で撫子の態度にキレて、
前髪をはさみでバッサリと切り捨てたところで、
もう回収しているのかもしれませんけれど。
でも、いつかこれと向き合わなければならなくなったとき、
ちょっとやそっとの方策では解決できない大きなものになるかもしれない。
それを知らしめるための、今回のど頭のシーンなんでしょうね。
あとはまあ、撫子の容体。
これを暦が知ることができるのも、月火を通してだけ。
その役割も担っているわけですけれど、これはこれで哀しい。
もう二度と、会うことは許されないわけだから。

最後に、今回の主役である斧乃木余接。
彼女は、人形である。
怪異は自分語りはできないという縛りのもと、
今回は阿良々木暦の語りでしたけれど、彼女は何を思うのでしょう?
忍にズタボロにされれば悔しいし、暦にスカートを捲られれば恥ずかしい。
しかし、無表情で、淡々と言葉を紡ぐ彼女は、何を思うのでしょう?

感受性が強すぎると不幸をもたらし、感受性がなさすぎると犯罪に導く。

政治家タレーランの言葉です。
怪異とは、どちらなのか。
斧乃木余接は、どちらなのか。
本来、どちらでもなかったであろう余接が、
それでもキメ顔であろうと、感情を持とうとしていたのは、
感情を持たないことの痛みを、知っていたからではないでしょうか。
何でも知っている奴と。
すべてを見透かした奴と。
現実を見据えた奴と。
自分を取り合った二人がいて。
彼女は過去に何を思い、今何を思うのか。
子供の頃に解らなかった人形の気持ちは。
大人になっても解らないものです。

| 西尾維新 | 12:10 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

久々にコメさせていただきます。
なんというのか暦が語り部とあっていつもどうり会話劇や変態っぷりでしたが全体的にシリアスな空気がただよっていた感じがしました。
今までは忍野メメはなぜ何も行動を起こさないのだろうと思っていましたけど、手折正弦が忍野を探せと言っていたのでキャスティングしたものにでも何かしらの妨害があって動けなくなってしまったといったところでしょうか。
今のところ忍野扇が一番怪しいですけど、どうなるでしょうか?実は忍野が遣わした式神だったりしたらとかいろいろ妄想しながら終物語の続報を待ちたいです。

| 黒猫 | 2012/09/28 19:24 | URL |















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